戸建てのオーナーチェンジ物件の売却が成功するかは貸す時で決まる その2

3.建物のグレードが販売価格に反映できない問題

前回の日報の続きです。
https://nakashimaya.jp/nippou20250517
仮にハウスメーカーで建築したこだわりの注文住宅だとしても、それが家賃に反映されるとは限りません。
あくまで賃貸相場に基づいて家賃が設定されてしまうケースが大半です。
一流ハウスメーカーの注文住宅でもパワービルダー系の建売でも家賃に大きな差は出ません。
耐震性、断熱等級や省エネ基準なども然りです。
あくまであったらラッキー的な要素に過ぎず、必須要素にはなり得ません。

建物の仕様よりも、築年数や駐車可能台数、礼金が安い、連帯保証人が不要、ペットが飼える、楽器演奏OKなどの賃貸条件の方がより重要視されるジャンルです。
売るのと貸すのとではお客様に求められるポイントが大きく異なるのです。
そんな訳で、建築コストの掛かっている戸建ての場合などは、売りたい金に対して売れる金額は半分と言う事もあり得ます。
良い不動産ほど、購入金額に対して売却価格の下落幅が激しいと言う不思議な現象が起こってしまいます。
とても売却難易度が高いジャンルと痛感しています。

書いていて気付いた第4の問題点

追加でひとつ販売に影響するポイントが思い浮かんできました。
オーナーチェンジ物件はSUUMOには掲載できません。
絶大な集客力を持つポータルサイトのSUUMOが使えない事は販売活動に大きく影響します。
エリアによりますが、神戸に限って言えばSUUMOが圧倒的No.1なのです。

今までのお話しをまとめると、売る可能性が1%でもある場合は、
・賃料調査を入念に行い、けっして弱気な設定にしない
・定期借家契約で契約
はとても大事な要件です。
この趣旨を理解してもらえる賃貸業者さんを見つける事が出来れば最高です。
そして、できる事ならオーナーチェンジ物件としての売却では無く、空き家になるタイミングを待ってください。
オーナーチェンジ物件を探している投資家さんの数、マイホームを探しているファミリーの数、市場規模の差は一目瞭然です。
マイホームの購入検討者向けに販売される事を強くおすすめします。

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