いつか売却する事を想定して賃貸条件を決める重要性
関東にお引越しされた売主様から、現在賃貸中の中古戸建ての売却相談でした。
オーナーチェンジとは賃貸中(入居者が住んでいる状態)のまま売却することを言います。
このジャンルではマンション以上に戸建ては売却に苦労するケースが多いです。
販売価格以外でその物件の優位性を示す施策が残念ながらあまり多くはありません。
過去にもまったく希望額に届かないケースによく出くわしました。
問題点としては主に3つ
1.賃料が低すぎる問題
戸建ての賃貸に関しては流通量が少なく、家賃設定に苦労する賃貸業者さんが多いです。
その為「この価格ならすぐに決まるだろう」と、とんでもなく安い金額で貸してしまうケースが多いです。(借りる側にとってはスーパーラッキー)
ひどいケースでは毎月のローン返済額以下で貸してしまい、毎月赤字と言う売主様もいらっしゃいました。
毎月手残りが少ない(場合によっては赤字)問題に加え、売却時には投資商品として厳しくジャッジされます。
家賃が低い⇒利回りが低い⇒魅力の少ない商品
と判断されます。
立地の良さで補う事が可能ではありますが、戸建ての場合はなかなかそうもいきません。
定期借家契約一択
2.いつ空き家になるか分からない問題
しばらく住む予定が無いからと、期間を定めない契約をしてしまうケースにもよく遭遇します。
いわゆる普通借家契約です。
この場合、借主さんが希望する限り何十年でも住めてしまいます。
その状態では、購入検討者が「空き家になったら自分や親族用に使おう」や「空き家になったら売却しよう」と言う戦略が取りづらくなります。
これが定期借家契約にしていると、デメリットが大幅に改善されます。
「あと〇年待ったら空き家になる」と確定しているのであれば、その後の選択肢が増える為、買い手が見つかる確率が大幅に上がります。
また、期間満了を待てば空き家として販売ができるため、賃貸中の状態で相場以下で手放す必要がありません。
ただし定期借家契約は、賃貸募集の際に決まりにくくなるデメリットがあります。
なかなか賃貸業者さんの方からは積極的な提案はないかもしれません。
3つ目の問題点は別の日の日報にて書いてみます。